利用目的が問われないフリーローンには以前からあるような証書貸付のものと、借入限度額内であれば何度も借入ができるカードローンがあり、どちらも審査によって融資の可否が決められます。
銀行のフリーローンには借入限度額の上限が有り、その中で希望する借入限度額を明示して申込みを行います。証書貸付の場合には希望額が貸せるかどうかを審査して決まります。
これに対してカードローンでは信用度に応じて借入限度額と金利が決まり必ずしも希望額が借入れできるとは限りません。
100万借りられるか300万借りられるかは、申込者の信用によって変わり、始めてその銀行を申込むような場合には、貸してくれる場合でも金利は高く設定されます。
銀行のフリーローンの借入限度額は?すべては審査で決まる
証書貸付でフリーローンを申込む場合は他のローンのように利用目的は問われませんが、希望する借入金額を示して申込みを行います。
銀行側が用意しているフリーローンは借入限度額が決められていて300万円程度と言う場合が多く、それぞれの銀行で違います。
ただし、必要な金額がその借入限度額以内であれば誰でも融資されるわけではなく、厳正な審査が行われて審査の可否が決定されることになります。
審査では融資の可否を決定しますが、信用評価が低く規定の金利では貸せないと評価されれば審査は否決になってしまいます。
メガバンクのフリーローンの借入限度額を比較してみよう
まずフリーローンはどの程度のお金を借りられるのかを比較してみましょう。フリーローンには証書貸付のものとカードローンがありますが、まずメガバンクの証書貸付を比較してみます。
ただしメガバンクはフリーローンはカードローンだけにして証書貸付のほうは多目的ローンと言う形で利用者が利用目的を指定する形のローンになっている場合が有ります。
フリーローン | 借入限度額 | 金利 |
---|---|---|
みずほ銀行多目的ローン | 300万円 | 5.875%(変動)、6.700%(固定) |
三菱東京ネットDE多目的ローン | 300万円 | 5.475%(変動) |
三井住友銀行フリーローン | 300万円 | 5.975%(変動) |
このように借入限度額は概ね最大300万円程度までということになります。
中には担保を用意することによって1億円まで利用できるものもあります。担保が有れば金利はもっと低い設定になるので有利な利用も可能です。
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審査で融資の可否が決められる
ただし誰でもここに示したような借入限度額でローンが借りられる訳ではありません。ローンを借りる為には審査が有り、この審査に通らなければ融資は受けられません。
審査では次のような項目が評価されています。
- 申込者は本人なのか
- 申込者には返済ができるのか
- 申込者は信用できるか
まず本人でなければ話になりませんから、本人確認書類を提出して更に在籍確認などが行われますが、本人であれば別に心配する必要はありません。
返済ができるかどうかについては次の点が調べられます。
- 一定以上の年収が有るか
- 安定した月収が有るか
まずある程度の年収が無ければ、その中から返済して行くのは難しいので、年収が確認されます。年収よりも重要なのが安定した月収で通常のローンは月々返済して行くことになるので月収が安定していなければ返済が滞る可能性が有るためです。
最後に信用ですが、これは過去にローンの返済を滞納したというような金融事故を起こしていないかどうかなどが確認されます。
本文では信用は過去の金融取引上の事故が確認されると説明していますが、なぜ過去の取引が確認できるのかと言うと、利用者の金融取引と言うのは一定期間信用情報と言うデータベースに格納されている為です。
この信用情報には各金融機関の利用者の情報が格納され、別の金融機関で起こした金融事故についても確認することができます。したがって審査基準で問題になるような情報が格納されていれば審査通過はできません。
この信用情報は銀行や消費者金融などの各金融業界ごとに別々に管理されていますが、金融機関にとって不都合な情報と言うのは業界間で共有されるため銀行で問題が有れば、消費者金融の審査でも問題視される可能性が有ります。
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借入限度額が信用にみあっていなければ融資は行われない
注意しなければならないのは金融取引というものは信用で行われるということです。そしてこの信用は金利と関係しています。つまり融資と言うのは信用が高ければ大きなお金を低金利で借入れることができるのです。
これに対して信用が低ければ小さなお金を高金利でなければ貸してくれません。ここで示したフリーローンの場合どれも金利はあらかじめ決まっています。これが問題です。
これらのフリーローンの審査ではその金利で融資ができる信用を持っているかどうかを判断します。
そして信用が足りていなければ審査は否決となり、融資を受けることはできません。
これらのフリーローンではそれほど大きな金額を借りることはできませんが、審査を安易に考えていると借入れできないことも有るので注意しなければなりません。
銀行のカードローンの借入限度額は?限度額と金利は審査で設定される
同じように原則的に何に利用しても構わないカードローンの場合もやはり申込時に希望する利用限度額を明示して申込みを行います。利用限度額はカードローン毎に違い300万円と言う場合も有れば800万円と言うところも有ります。
カードローンの場合も審査が行われ融資の可否が決められますが、さらに利用者に適用される利用限度額と金利も信用評価によって決められることになります。信用が高ければ高額の利用限度額になる訳です。
このためカードローンの場合には審査に通ったとしても、希望通りの利用限度額が設定されるとは限らず、少額の設定になって審査通過と言う可能性が有ります。初めて利用する場合信用評価は低くなるので大概の場合利用限度額は少額になります。
メガバンクのカードローンの借入限度額を比較してみよう
次にカードローンでどのくらい借りられるのか調べてみましょう。いまや目的を問われずに融資が利用できるローンと言えば、すぐにカードローンを連想するほど有名ですから、利用している人も多いでしょう。
メガバンクのカードローンの借入限度額は次のようになっています。
カードローン | 借入限度額 | 金利 |
---|---|---|
みずほ銀行カードローン コンフォートプラン | 1000万円 | 3.5%~14.0% |
三菱東京UFJ銀行 バンクィック | 500万円 | 1.8%~14.6% |
三井住友銀行カードローン | 800万円 | 4.0%~14.5% |
このように借入限度額はカードローンそれぞれで違いますが、最大でも1000万円程度までということになっています。
カードローンでは担保を取るということは殆どありませんから、これ以上の融資はなかなかできないでしょう。
地方銀行も含めてカードローンの借入限度額を調べてみると、多くは300万円程度が上限になっています。ただし最近になってこの借入限度額が高額化してきており、500万円と言ところも増えています。
また従来500万円程度の借入限度額を設定していた銀行では、800万円程度にまで借入限度額を引き上げてきています。
これに対して中には借入限度額を50万円と少額にしておき、審査を甘くして大勢の人に利用してもらおうというカードローンも有ります。
高額の借入限度額を設定しているカードローンでも収入の無い専業主婦などの場合には予め50万円までしか借入限度額を設定しないことにして利用者の幅を広げているカードローンも存在しています。
信用評価で借入限度額と金利が決められる
審査で問われるのは証書貸付の場合と同じですが、カードローンの審査では利用の可否だけではなく、適用する借入限度額と金利についても決めることになります。
表を見れば分かりますがカードローンの場合には金利に大きな幅が設けられていて、申込者の信用を評価して、それに見合う金利が設定されます。したがって信用の低い人には高い金利が設定できるため融資できる可能性が有ります。
カードローンの場合には借入限度額も審査で決定され、信用が大きければ大きな金額の借り入れができ、信用が低ければ少額の借入しかできなくなります。
信用と金利が信用評価によって決められるため、カードローンによっては予め借入限度額に対する金利を明示している場合も有ります。明示されていなくても、各金融機関では両者の関係はある程度決まっている筈です。
借入限度額は希望通りに決まるとは限らない
ここで注意しなければならないのは、証書貸付の場合には、借入希望額に対して審査が行われ、審査が通過すれば希望した金額の融資が行われますが、カードローンの場合には必ずしもそうではないということです。
つまり審査によっては希望する金額の借入限度額は付けることができませんが、もっと少額なら審査の通過が可能な場合、カードローンは審査を通過させ、希望よりも少額の借入限度額を設定します。
ですから審査通過の可能性が大きくなりますが、希望通りの借り入れができるとは限らないということです。カードローンを申込む場合には予めそういった点を了解しておく必要が有ります。
もしどうしても大きな金額が必要ということであれば、カードローンではなく、別のローンの借り入れを考えたほうが無難ではないかと思われます。
100万円は借入れできるか?300万円の借り入れは難しいのか
では証書貸付の場合とカードローンの場合100万円あるいは300万円の借入れと言うのは可能なのでしょうか。当然ですが、借入希望額が大きければ大きいほど希望が通ることは難しくなっていきます。
このため借入ができる可能性としては100万円と言うのは可能性としては高いですが、300万円ということになると、審査通過はかなり難しくなってしまうでしょう。
カードローンの場合を考えてみると、初めて利用する金融機関だった場合には信用評価はゼロからスタートしますから、利用限度額はかなり少額になり、100万円というのも難しいと考えるべきです。
ただしカードローンでは利用を続ける中で利用限度額を増額してもらう事ができ、徐々に大きな金額の借り入れができるようになります。
借入限度額の希望が大きければ審査通過は難しくなる
まず指摘しておかなければならないのは希望する借入限度額が大きければ大きいほど審査通過は難しくなるということです。ですから少額の借入であれば借入可能ですが、借入額が大きくなれば借入は難しくなるでしょう。
したがって借り入れを考えるのであれば、だいたい幾らあればよいかと言うように曖昧な希望ではなくて、しっかり見積もりを行ってできるだけ必要最小限に希望額を絞ったほうが、審査通過の可能性は高くなるでしょう。
借入れできるかどうかは申込者の信用が希望する金額に見合うかどうかで決ってきます。大きな金額なら大きな信用が必要になる訳です。
100万円の借入れは可能性が有るが300万円はかなり厳しい
そこで実際に借入れできる金額を考えてみましょう。まずは証書貸付の場合です。
証書貸付の場合のフリーローンとしては、フリーとは言っても自分で目的を決めて融資を受けるタイプの多目的ローンと言う場合が多くなっています。
ですから完全にフリーなローンよりも他の目的別ローンと同じでカードローンよりも高額借り入れは可能と考えられます。
しかし100万円であれば可能性としては大きくなり、借りやすい金額と言えるでしょう。
カードローンでは最初は小さく徐々に大きくしていくと考えよう
カードローンの場合には信用が低かったとしても、借入限度額を抑えることで審査に通す可能性が有ります。それでも300万円というのはまず無理で100万円でもかなり難しいと思ったほうが無難です。
10万円程度の借入限度額で利用を始めるしかない場合も少なくありません。
ただし、カードローンの場合はこれで終わりではありません。最初は少額ですが、増額審査を受けることにより徐々に借入限度額は増額されます。
したがって最初から100万円とか300万円と言ったようなカードローンとしては高額の借入限度額にはなりませんが、利用を続けることによって100万円にも300万円にもしていくことができるのです。
カードローンの増額審査は利用開始から適正な利用を行っていると仮定して概ね半年程度経過すれば申込むことができるようになります。
増額審査と言っても審査内容は申込時の審査と基本的には変わらず、同じ審査で信用評価が上がることによって適用される借入限度額が変わるということです。
ただし注意が必要なのは金融機関側から見れば増額審査と言う意味ではなくて借入限度額の再審査という意味合いになることです。したがって増額が有れば減額の可能性も有ります。
再審査の結果信用の評価が下がってしまっていれば、増額どころか減額されてしまう訳です。
たとえばカードローン利用中に、別の金融機関のカードローンを利用すれば返済能力は下がってしまい、信用評価にも影響するため、借入限度額は減額されることになるでしょう。
カードローンを利用するときはよく先を見て、最初は少額で高い金利かもしれませんが、しばらく我慢して、徐々に条件の良い利用ができるように考えることが重要です。
銀行に信用してもらう事が大切!マイバンクを決めておこう
では必要な時に貸して貰えるようにするにはどうすれば良いのでしょうか、それは日頃から信用を育てておくことです。必要な時になっていきなり融資を申し込むのではなくて、給与の振り込みなどに利用を続けていればそれだけで信用は育ちます。
実際には定期預金や各種の引落しなどで利用していれば更に信用が大きくなり、必要になった時に高額のローンの審査での評価も高くなり利用の可能性が出てくることになります。
最近では有利さを追求して少しでも金利が低いところを使うなどして様々な金融機関を利用するという人もいます。
しかし将来有利な借り入れをすることを考えるのであれば多少の金利の違いは気にせずマイバンクとして利用する金融機関を絞っておくことも必要なことです。
銀行はお付き合いで信用を育てていくもの
審査での信用評価を考えてみると、信用と言うのは利用者と金融機関とのお付き合いの度合いによって評価されます。周囲に信用できる人と評価されていたとしても、ローンを利用する場合には金融機関の評価でなければ意味を持ちません。
しかしこれまでこれと言ったお付き合いは無く、ローンを始めて申込んだというような場合には、その金融機関とのお付き合いが有りませんから、信用は未知数となり審査での評価はゼロということになります。
信用というものは一朝一夕には作ることができるものではありません。長い時間をかけてゆっくり育てていくものと言う視点が必要です。
慌てて信用を作るにはどうしたらよいのだろうという人がいますが、慌てていて育つものではありません。
様々な取引きでお付き合いを深めることが大切
このためそれまでに他のローンを利用していて問題なく返済していたり、ずっと給与の振込みや各種支払いの引落しに利用していたり、積み立てを長い間行っていたりすれば、徐々に信用評価は上がっていき大きな信用になっているかもしれません。
そういった日頃からお付き合いをしているような銀行であれば、いざローンを借りようという場合でも、比較的有利な条件を付けてくれることも有るかもしれません。
したがってもしすぐにローンを申込む必要が無かったとしても、いつか必要になった時のことをよく考えて、日頃から先ほど説明したような取引をしておくことは無駄にはなりません。
借り入れなど考えなくて良いうちにじっくりお付き合いを深め、信用を作っておくようにしましょう。
借入限度額を決めるのは信用だと本文では説明していますが、もうひとつ必要なことが有ります。それは収入です。もちろん収入も大きな意味で信用になりますが、いくら信用が大きくなっても収入が伴わなければ大きな借り入れはできません。
消費者金融の場合には総量規制というものが有って原則として年収の3分の1までしか借入れできません。銀行には総量規制は有りませんが、それでも無制限に貸せるわけではありません。
銀行の場合には概ね年収の半分程度が上限と言われています。つまり100万円借りる為には年収200万円が必要で、300万円借りる為には年収600万円が必要ということになります。
この点から考えても100万円の融資を受けられる人は大勢いるかもしれませんが、300万円の融資が受けられる人と言うのはそう多くはないでしょう。
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フリーローンを利用したい!必要な年収は一体どのくらいなの?
いろいろな銀行を使うのではなくマイバンクを決めておこう
そこで一つ注意しなければならないことが有ります。最近ではインターネットができて、銀行の金融商品の情報が集めやすくなったためか、できるだけ有利な条件を探して、あっちこっちの銀行を渡り歩く人がいます。
そういった銀行の使い方も一つの方法でしょうが、あまりお勧めできるものではありません。銀行は頼りにすればするほど親身に付き合ってくれるようになります。
ですから出来れば利用する銀行は1つに絞ってマイバンクといえるような銀行を持つべきです。
そうすれば有利な条件でローンも借りられるようになったり、トータルで考えれば非常にお得なお付き合いができるはずです。
ここで銀行のフリーローンの借入限度額について纏めておきます。
- 証書貸付のフリーローンは金利に見合う信用が必要
- カードローンは審査で借入限度額と金利が決められる
- 100万円の借入れは可能でも300万円はかなり難しい
- 銀行に信用してもらうにはお付き合いを深める必要が有る
金融機関とお付き合いを深めるのは良いですが、もし金融事故を起こしてしまうと一気に信用は崩れてしまうので、そういうことにならないように慎重に利用することを心掛けましょう。
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